流体の運動量保存則(2) 次は体積力

非圧縮性流体

運動量保存則

引き続き、流体の運動量保存則とはどのようなものになるかを考えていきます。

まずは、どういった力が他にありそうかを考えます。通常で考えると、重力や圧力、粘性で働く摩擦などがありそうです。いったん、移流以外の働く力を面積力と体積力という力に分けて、考えます。面積力とは、面に対して働く力です。先に言ってしまうと、圧力や粘性摩擦はこちらです。体積力とは、体積に対して働く力です。先に言ってしまうと、重力と浮力です。

すると、前回の方程式から、面積力を\(f_{s_i} \)、体積力を\(f_{v_i} \)として、以下のように書けるでしょう。

$$
\begin{align}
&\frac{ \partial \rho u_i \Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3}{ \partial t} =- \frac{\partial \rho u_i u_j}{\partial x_j} \Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3 +f_{v_i} + f_{s_i} \\\\
\tag{1} \label{eq:scale-factor-1} 
\end{align}
$$

まずは、どう考えても簡単な方から片していきましょう。どうみても簡単なのがどちらかありますね。

これは、、、ズバリ、、、

体積力!!

どう考えても簡単そうです。やっていきます。

体積力で考えなければいけないのは、重力です。ええ、重力。浮力は温度を考えないと定義できないので考えません。


体積力の単位

まず、体積力\(f_{v_i} \)の単位を考えてみます。まず、\eqref{eq:scale-factor-1}式の単位はなんでしょうか?

$$
\begin{align}
&\frac{ \partial \rho u_i \Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3}{ \partial t} \\\\
&\frac{kg}{m^3} \frac{m}{s} \cdot m^3 \cdot \frac{1}{s}= kg ・\frac{m}{s^2} = N
\tag{2} \label{eq:scale-factor-2} 
\end{align}
$$

そうです、ニュートンですね。運動量保存則と言いつつ力の単位で考えていました。それもそのはず、そもそも運動量保存則は運動方程式から導かれる式です。簡単にやっておきましょうか。せっかくなので、テンソル表記でやってみます。

$$
\begin{align}
& m \frac{ d^2 x_i}{d t^2} = F_i \\\\
& m \frac{d u_i}{d t} = F_i \\\\
& \frac{d p_i}{d t} = F_i \\\\
& 両辺をtで積分 \\\\
& d p_i = \int F_i dt
\tag{3} \label{eq:scale-factor-3} 
\end{align}
$$

で、力積が0だったら運動量は保存されてます。それだけですね。でも、運動方程式と運動量保存則はtで微分したか積分したか程度の関係なのです。

ここで、\(f_{v_i} \)は、\(\rho f_{v_i}’ \Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3 \)のように表せるのではないかと考えてみます。これは大丈夫ですかね。体積力なので、密度が入ってくるはずだと。そして、その部分を外に出せるはずだという思考です。

その場合、\(f_{v_i}’ \)の単位は、N/kgになりそうです。\(\rho\)がkg/㎥、\(\Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3 \)が㎥なのでそうなりそうですよね。

N/kgなんてあるのでしょうかと思った方、これは、加速度ですよね。N=kg・m/s/sなので、そのまま加速度です。なんか、これは重力を簡単に入れれそうな予感がしてきました。

また、例の微小体積を考えます。

この微小体積に働く重力は、、、これでいいんじゃないですかね。

$$
\begin{align}
&\rho f_{v_i}’ \Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3 = -\rho g
\tag{4} \label{eq:scale-factor-4} 
\end{align}
$$

でも少し違います。左辺は、ベクトル量なのです。1階のテンソル量なのです。それは元々の式を見るとわかりますね。それに、重力は\(x_3\)成分にしか働かないはずです。これが表現できていません。そこでクロネッカーのデルタを使ってこう書きます。

$$
\begin{align}
&\rho f_{v_i}’ \Delta x_1 \Delta x_2 \Delta x_3 = -\rho g \delta_i3
\tag{5} \label{eq:scale-factor-5} 
\end{align}
$$

これで完成です。これでiが3の時以外は0になり、いい感じに式が立てられました。

体積力はこんなけです。いっついーじー。



[
前の記事へ]  [非圧縮性流体の目次へ]  [次の記事へ]